『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』クリア後レビュー

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『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』は、Steam版でプレイしました。 プレイ時間は37時間で、難易度は普通、ストーリー重視で最後までクリアしています。

前作『AI:ソムニウムファイル』はプレイ済みですが、内容はかなり忘れた状態でのプレイでした。 それでも、前作キャラクターの登場や会話の空気感は楽しめました。 特に、Psync中に伊達からむちゃぶりされるアイボゥが印象的でした。

全体としては、かなりはちゃめちゃな設定のゲームでした。 ただ、そのはちゃめちゃさも含めて、実際に遊んでみるとかなり楽しめました。 仮に細かい矛盾点があったとしても、それを押し切るだけの勢いと面白さがある作品でした。 少なくとも私は、具体的な矛盾点を挙げられるほど気になる部分はありませんでした。

良かった点

一番面白かったのは、謎が謎を呼ぶ感覚です。

物語の序盤から気になる要素が次々に置かれていき、「これはどういうことなのか」と考えながら進める楽しさがありました。 かなり多くの風呂敷が一気に広げられるので、途中で忘れてしまうこともありましたが、その分、先が気になる力は強かったです。

そして、それらの謎が回収されていく感覚が気持ちよかったです。 ミステリーとしての引きが強く、ツイストも多いため、ストーリー重視で遊ぶにはかなり満足感がありました。

特に印象的だったのは、時間軸が交差する構造です。 プレイ中は時間通りに物語が進んでいると思っていましたが、実際には時系列がそのまま進んでいたわけではなく、交差して進んでいました。 クリア後にその構造が分かると、それまで見ていた場面の意味が変わって見えてきます。 そのため、謎解きを終えたあとに、もう一度最初から確認したくなりました。 伏線を見直したい、あの場面はどういう意味だったのか確かめたい、という気持ちになるストーリーでした。

フルボイスだった点も良かったです。 キャラクター同士の掛け合いや小ネタが多く、会話を聞いているだけでも楽しめる場面がありました。 鑑識官のカガミの名前が覚えられないくだりなど、細かいネタも印象に残っています。

また、前作から続く要素があるのも嬉しかったです。 前作の内容はかなり忘れていましたが、それでも前作キャラが出てくると懐かしさがありました。

前作から続くダンスでのエンディングも良かったです。 最後にあのノリで締めるところは、このシリーズらしさがあって楽しめました。

セーブをロードしたあとに、あらすじが流れる点も良かったです。 ストーリー重視のゲームで、しかも謎や情報量が多い作品なので、再開時に流れを思い出せるのは助かりました。

悪かった点

一番気になったのは、Psyncモードで面白そうな選択肢を見づらいことです。

Psync中には、明らかに正解ではなさそうだけれど、見たら楽しそうな選択肢があります。 ただ、普通に進めようとすると時間制限や攻略上の都合があるため、そうした選択肢を気軽に選びにくいと感じました。 難易度を下げれば見やすくなるのかもしれませんが、ヒントなしで解きたい気持ちもあるので、遊びの選択肢を楽しみにくいのは少し残念でした。

文字入力の操作性にも不満がありました。 謎解きの文字入力で、一般的なゲームならキャンセルにあたるボタンが決定になっており、誤って文字を決定してしまうことが何度もありました。 間違えた文字を消したいだけなのに決定扱いになるので、操作としてかなり引っかかりました。

さらに、その場で資料を漁れないこともあり、ヒントなしで考えたいときには不便でした。 自分で推理したいのに、操作ミスや確認不足で推理ミスになってしまう感覚がありました。

寄り道要素についても、いくつかは不要に感じました。 ペットを育てる機能や、タマとの人生相談機能は、個人的にはあまり必要性を感じませんでした。 メインのストーリーや謎解きが面白かった分、そこから少し外れた要素にはあまり惹かれませんでした。

また、下ネタが多めで、ノリが合わない人はいるかもしれません。 私は全体として楽しめましたが、会話や小ネタの方向性がかなり独特なので、人によってはそこで引っかかる可能性があります。

総評

『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』は、謎が謎を呼ぶ展開と、それが回収されていく気持ちよさが魅力のゲームでした。

設定はかなりはちゃめちゃですが、その勢いを含めて楽しめました。 細かい部分を気にするよりも、物語の大きな仕掛けやキャラクターの掛け合いに乗っていくと、強く楽しめる作品でした。

特に、クリア後にもう一度見直したくなる構造が印象的です。 ただエンディングまで進めて終わりではなく、終わったあとに「あの場面はどうだったのか」と確認したくなる作りでした。 ストーリー重視で遊んだ私にとって、そこはかなり満足度が高かったです。

一方で、文字入力まわりの操作性には不満が残りました。 寄り道要素の中にも、あまり必要性を感じないものがありました。

それでも、全体としては楽しく遊べた作品です。 ミステリーとしての引き、ツイストの多さ、伏線回収の面白さを味わいたい人には合いやすいゲームだと感じました。 下ネタや独特のノリが合うかどうかは人を選びますが、そこを含めてこのシリーズらしさを楽しめるなら、最後まで強く引っ張ってくれる作品でした。

AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ -Switch

AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ -Switch

傑作アドベンチャー『AI: ソムニウムファイル』に、待望の続編が登場! 現在と6年前が交差する謎めいた猟奇殺人事件に、2人の主人公が挑む! 現実世界の「捜査パート」を経て、相手の夢の中で深層意識を探る「ソムニウムパート」へ