『伊達鍵は眠らない From AI:ソムニウムファイル』クリア後レビュー

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「伊達鍵は眠らない From AI:ソムニウムファイル」は、Steamでプレイしました。 プレイ時間は17時間ほどで、難易度は普通、ストーリー重視で最後までクリアしています。

前作を遊んでいることがかなり前提になっている作品、という印象でした。 キャラクターのバックグラウンドを知っている状態だと、会話や反応の意味が分かりやすく、シリーズファン向けのファンディスクとして見ると楽しめる部分はあります。

一方で、前作を知らない状態だと十分に楽しむのは難しそうです。 今作単体で強く引っ張っていくというより、過去作を踏まえたキャラクターの再登場や掛け合いを楽しむ側面が大きい作品でした。

良かった点

良かった点は、キャラクター同士の掛け合いです。

前作同様、小ボケが多く、テキストを読んでいて楽しい場面はありました。 シリアスな推理ものとしてではなく、コメディ寄りの会話劇として見ると、キャラクター同士のやり取りには楽しさがあります。

特に、前作のキャラクター背景を知っていると、ちょっとした会話や雰囲気にも意味を感じやすいです。 シリーズファン向けのファンディスクとして、キャラクターの再登場や掛け合いを楽しむ作品と捉えると、良い部分は見えやすいと感じました。

亜麻芽ちゃんが元気な姿を見せてくれたのも良かったです。 前作では父親を殺され、その父親を殺した犯人を自身で殺しているため、終始暗い印象がありました。 今作ではそれとは逆に、元気で笑顔の亜麻芽ちゃんが見られたのが印象に残っています。

また、セーブデータをロードしたあとに、あらすじが流れる点も良かったです。 少し間を空けて再開したときに、状況を思い出しやすい作りになっていました。

悪かった点

一番大きかったのは、全体的にストーリーが合わなかったことです。

前作のような緊張感を期待していましたが、今作では殺人事件などのシリアスな場面がなく、事件性がかなり薄く感じられました。 殺人の有無そのものが問題というより、推理ものとしての緊張感や考える楽しさがほとんどなく、退屈に感じる時間がありました。

推理ストーリーを楽しむというより、脱出ゲームを遊んでいる感覚が強かったです。 ただ、自分がこのシリーズに求めていたのはそこではありませんでした。 脱出ゲームのステージも長く、それだけで時間が取られているように感じ、尺伸ばしのような印象が残りました。

タイム制限がある場面で、ボイスを聞いているだけでも時間が進む点も気になりました。 じっくりボイスを聞くより、メッセージをスキップしたほうが得になってしまう作りは、少しもったいなかったです。

また、クリアしてみると、本筋のストーリーに対応していた部分は全体の半分程度だったように感じました。 時間の半分くらいは初代の後始末をしているような印象で、今作の本編とはあまり関係がないように見えました。

ボリュームが多ければ良いわけではありませんが、ボリュームが少なくても密度が高ければ満足できることはあります。 今作は、その密度の部分でも物足りなさがありました。 全体的に濃さが足りず、前作と比べるとパワーダウンしている印象でした。

総評

「伊達鍵は眠らない From AI:ソムニウムファイル」は、シリーズファン向けの外伝作品として割り切ると、受け止めやすい作品でした。 キャラクターの再登場や掛け合い、コメディ寄りの会話劇を楽しむものとして見るなら、良いところはあります。

ただ、自分としては前作のような緊張感や事件性、推理ものとしての驚きを期待していたため、かなり物足りなく感じました。 本編級の重いミステリーや、前作までのような引き込まれる展開を求めると、期待とはずれやすい作品です。

推理ものを期待して遊ぶには、少し距離を置いて見たほうがよさそうです。 シリーズファンであっても、外伝的な会話劇やファンディスクとして楽しむ気持ちが強い人向け、という印象でした。

個人的には、前作が良かっただけに残念さが残りました。 キャラクターの掛け合いを楽しめる部分はあったものの、ストーリーの緊張感や密度を重視するなら、積極的にはすすめにくい作品でした。

伊達鍵は眠らない - From AI:ソムニウムファイル -Switch

伊達鍵は眠らない - From AI:ソムニウムファイル -Switch

本作ではシリーズ第1作で主人公を務めた「伊達 鍵」が眼球型AI「アイボゥ」と再びタッグを組み、危険な脱出ゲームに参加させられたネットアイドル「A-set」こと「左岸イリス」を救うため、謎の事件に挑む姿が描かれます